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| 離婚と年金 |
平成16年の年金制度改正で、離婚した場合の年金の権利について大きな変更がありました。
これまでの年金制度は基本的に夫婦を単位として設計されていました。つまり、夫婦合計で年金がどれだけになるかについては考えられていましたが、離婚した場合にそれぞれの年金がいくらになるかについてはあまり考慮されていませんでした。そのため、離婚後に元夫婦がそれぞれ受け取る年金額には大きな格差がある場合がありました。今回の改正はこの格差の是正をある程度可能にしたものです。
以下、改正前後のしくみがどのようなものかについて説明します。
■ 離婚しなかった場合
| 60歳 | 65歳 | |||
| 本人 | 報酬比例部分 | 老齢厚生年金 | ||
| 定額部分 | 老齢基礎年金 | |||
| 加給年金 | ||||
| ↓ | 65歳 | |||
| 配偶者 | → | 振替加算 | ||
| 老齢基礎年金 | ||||
■ 離婚した場合
1.加給年金支給開始前に離婚
...加給年金は支給されず、振替加算もない
2.加給年金受給中に離婚
...離婚時以降は加給年金は支給されず、振替加算もない
3.振替加算受給中に離婚
...離婚しても振替加算は引き続き支給される
■ 婚姻期間中の厚生年金の保険料納付記録の多い人から少ない人へ、その納付記録を分割できます。
■ 分割の上限は、婚姻期間中の両者の厚生年金の保険料記録の合計額の半分まで、つまり、両者の保険料納付記録が同額になるまでです。
■ 適用を受けるためには、離婚後2年以内に請求する必要があります。
| 夫の 納付記録 |
妻の 納付記録 |
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| 分割前 | .. | .. | .. | .. | .. | .. | .. | .. | .. | .. |
| 分割後 | . | . | . | . | . | .. | .. | . | . | . |
| ↑ 赤色部分が夫から 妻に分割される |
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■ それぞれの受給額
分割によって納付記録が減少した側 … 分割された分を除いた納付記録を元に算定した老齢厚生年金の額
分割によって納付記録が増加した側 … 分割された分を含めた納付記録を元に算定した老齢厚生年金の額
■ 分割後の記録は、受給資格期間・老齢基礎年金額・特別支給の老齢厚生年金の定額部分の額には反映されません。つまり、分割の対象は報酬比例部分(相当額)の厚生年金のみです。
■ 第3号被保険者は、離婚の際、平成20年4月以後の期間について、第2号被保険者の厚生年金の保険料納付記録の2分の1の額の分割を請求することができます。
■ 第3号被保険者にとっては、分割を受けた期間は厚生年金のみなし加入期間になります。
| − | 適用対象 | 対象期間 | 要件 |
| 離婚時の厚生年金の分割 | 平成19年4月 以降の離婚 |
婚姻期間 | 当事者の合意または 裁判所の決定 |
| 第3号被保険者の離婚時の 厚生年金の分割 |
平成20年4月 以降の離婚 |
平成20年4月 〜離婚成立時 |
第3号被保険者だった人の 社会保険事務所への請求 |
分割された年金は、分割を受けた本人の支給開始年齢から給付が始まり、分割を受けた人は元配偶者の生死にかかわりなく生涯受給できます。厚生年金加入期間が1年未満の人が分割を受けた場合は、支給開始年齢は65歳になります。
本人が厚生年金基金に加入している場合は、分割の対象になるのは代行部分だけで、プラスアルファ部分や加算年金部分は分割の対象になりません。
離婚後、カラ期間の確認のため、年金請求手続の際に元配偶者の基礎年金番号が必要になることがあります。離婚を決意している場合は、離婚前に配偶者の基礎年金番号を控えておきましょう。